米国に端を発した金融危機以来、現在、世界は極めて困難な経済的事態に直面している。![]()
こ のことは、ある意味では、単に経済の問題にとどまらず、より広く文化や思想も含め従来の欧米型の価値観に何らかの行き詰まりが生じていることを象徴してい ると考えることもできる。このような事態において、アジアの中軸国であり、ともに独自の長い歴史と文化を持つ日本と中国の協力、交流は単に二国間の問題と してだけではなく、これからの世界全体の問題解決のために重要な意味を持つことは明らかである。
即ち、今この時点において、日本を代表する理工系大学である東京工業大学の社会理工学研究科の学際的研究教育が中国の理工系大学の代表である清華大学と教育 上の交流を持つことの世界的意義は極めて大きいといえる。この学際的な教育交流の場から、斬新な学際的視点を持って今後の世界が抱える重要問題を解決でき る新たな人材が育ってくれることを心より期待したい。
■社会理工学コース長 中川 正宣
公共管理学院は、2000年10月に発足したばかりの学院。傘下に、公共政策研究所、経済合作研究所、廉政建設研究所、NGO研究所、企業与政府関係研究所、社会政策研究所、中国国情研究中心、国際問題研究所などを擁します。
公共管理学院の研究領域は、政府部門、非政府部門、公共政策の三つの部門にわたり、専任の教員は20数名、修士課程、博士後期課程の学生、ポスドクが数百人在籍しています。このほかにMPA(公共管理学修士)の課程で、現職の国家公務員が600人あまりが学んでいます。
公共管理(Public
Administration)は、行政職公務員の教育研究プログラム。中南海から現職の中堅幹部クラスの公務員が、夜間や週末に大勢通学しており、高級
幹部への登竜門となっています。公共管理学院で学ぶならば、卒業後に幅広い人脈を築くことができるでしょう。
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1995年に開設された法学系を基礎に、1999年にスタート。「法治」大国をめざす中国有数の法学院です。専任教員42名、兼任教員12名が在籍しています。修士のカリキュラムは、コア科目に加えて、法学理論、民商法学、憲法行政法学、経済法学、環境与資源保護法学、刑法学、訴訟法学、国際法学などの専門に分かれており、博士後期のカリキュラムとしては、民商法学のコースが設けられています。
社会理工学コースのパートナーになるのは、知識産権(知的財産)法を担当するセクション。東工大にも知的財産法を専門にする研究室がいくつもあるので、有意義な交流が期待できます。
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これも、かつての総合大学への復帰をはかる清華大の方針によって、1993年に設立されました。哲学系、社会学系、政治学系、中国語言文学系、歴史系、外語系と、6つの系を擁し、そのほかに科学技術与社会研究所、経済学研究所など5つの研究所を有する、大変に大きな組織です。
社会理工学コースのパートナーになるのは、科学技術与社会研究中心。15名の専任教員のもと、修士課程、博士後期課程の学生、ポスドクがそれぞれ十数名ずつ研究に従事しています。この研究所を核に、外部スタッフを加えた組織は、東工大・経営工学専攻の技術構造分析講座と深いつながりをもっています。
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